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データとしての「音」〜wav・mp3・oggの違い〜
・WAV(.wav)




WAV(wave=ウェーブ:波)は音を非常に高音質に録音できる形式です。音を録音する際の「原音」の形式としてよく使われます。 この形式の音質をデジタルデータ上で見る場合、「bit」(ビット)と「Hz」(ヘルツ)という二つの秤があります。

例えば8bitというのは高音から低音までを2*8(2の8乗)=256分割してデジタルデータとして記録することです。 16bitでは2の16乗=65,536分割。当然16bitのほうが滑らかな良い音として録音されます。 

次にkHz。例えば22.1kHz(キロヘルツ)というのは1秒間を22,100分割するという意味です。こちらも数が高いほど高音質になります。 ちなみにCDは16bit/44.1kHz。DVDなどの動画は48kHz以上です。 私たちが聞いている音は振動の「波」です。その波を音程と時間で非常に細かく区切ってデジタルデータ化している訳です。

ただWAVには大きな欠点があります。それは高音質にすればするほど、それに比例してファイルサイズも大きくなるという点です。 このためネットでWAV形式を配布しようとしたら、「8bit・22.1kHz・モノラル」みたいなサイズは軽いけど音質も低い、という風になってしまいがちでした。 

この欠点を解消し、インターネットの時代に適した「軽くて」「聴くに耐えうる」形式がMP3やOGGになります。

参考:WAVの構造と現状

・MP3(.mp3)
MP3は今もっとも普及している音声形式です。MP3の良い点はサイズが軽く音が高音質なこと。WAVをMP3に変換させた音とWAVをWAVのままファイルサイズを落とした音とでは、同じサイズでもMP3のほうが圧倒的に音が良いです。

なぜそうなるかというとWAVをWAVのまま軽くする場合、音全体を劣化させるのに対し、 MP3は人間の耳に聞こえない部分をカットして軽くするからです。 聞く人の耳にも拠りますが、だいたい同じ音に聴こえても1/6〜1/8ぐらいのサイズ比があります。

MP3の音質を見るにはbpsを見ます。bpsというのは "bit per second" つまり一秒間に流れるデータのことで、この数値も基本的に高ければ高いほど高音質です。 MP3の場合は32kbps〜320kbpsの範囲でWAVなど他形式からの圧縮が可能です。

自分は今のところ160kbpsで効果音を配布してます。 ですが、これをそのままゲームなどで使うにはレートが高い感じです。おそらく128〜112kbpsぐらいまで落としても音質はさほど変わらないと思います。 

さらに軽くしたい場合はステレオをモノラルにすれば単純にデータ量は半分になります。 (その代わり音の奥行き感は失われます。)その辺は自分の耳で判断してください。

参考:ビットレートの違いによる高音質の定義 - 教えて!goo

・OGG(.ogg)
OGGはMP3より新しい圧縮方法です。同じビットレートでの音質はOGGのほうが良いといわれています。MP3の圧縮には一部ライセンスが絡む可能性が(個人ではなく企業に)あるのに対し2017年に著作権が切れました)、OGGは完全に無料で誰でも自由に使えるのが特徴です。 OGGもMP3と同じくbpsで音質を見ます。



PC上での音声の説明は以上です。ただしこれはあくまでデータ上の話です。

いかにビットレートが高くても録音の際にノイズが入った音は良い音といえないし、 見かけWAVであっても、それが低いビットレートの音から変換されたものだったら音質は悪いままです。

音はまず自分の耳で聴いて良いか悪いかを判断しましょう。

おまけ資料:MP3圧縮の周波数解析(高音が削られていく様子)

サンプル音のWAV(原音)
MP3 320kbps
MP3 192kbps
MP3 160kbps
MP3 112kbps

最近流行りのハイレゾってのは、高音域をカットせず、かつ Hzやbit も高い、超高解析(超高音質)音です。WAV・96kHz・24bitみたいな。音が凄く滑らかに聴こえます。もっとも、アンプやスピーカー・ヘッドホンが良くないとハイレゾの恩恵は受けられないです。部屋も音響専門にするとか。

ただまあ、これは個人的な意見ですが、音楽に関しては、やはり音質より旋律(メロディ)だと思うんです。自分は8bitのピコピコ音、例えばDQの戦闘音みたいなゲーム音楽を感動して聴いているので、音質にこだわり過ぎるのもなんかな〜と思ってしまいます。

逆に自然の音や街の音といった生音をハイレゾで聴きたいですよね。

(c) Taira Komori 制作/著作 小森平